集中力が求められる時代
ずいぶん前の話しになる。卒塾生が幼い子を連れて遊びに来た。
部屋に入るなり幼い子(2才)はスマホをいじりはじめた。
「2才でスマホをいじれるんだ?凄い」と、褒めたことを思い出す。
また、その頃よく耳にした言葉が「うちの子はゲーム(スマホ)で漢字や言葉を覚えている」だった。スマホ絶賛とも受け取れた。漢字や言葉は小学校で習うのに、と思った。
スマホが脳に悪影響を及ぼすとメディアで警鐘を鳴らすが、私には関係ないと思っていた。が、最近はどこに行くにもスマホを持ち歩くようになった。さすがにトイレまでは持っていかない。
悪影響は出ている。知人の電話番号、漢字を忘れ思い出せないなど。それは認知症の始まりだよと笑うだろうが・・・
スマホ脳(2021年一番売れたの本)を読んだ。
記憶に残るフレーズが二つ「集中力こそ現代社会の貴重品」「バカになっていく子供たち」です。他にも多々ある。
また、東北大の川島隆太教授の研究の記事を見つけた。そのごく一部を抜粋して紹介します。(東洋経済)
【仙台市在住の5才から18才の児童・生徒224名の3年間の脳発達の様子を、MRI装置を使って観察しました。
インターネット使用の頻度が高いと、神経線維の発達に悪影響が出ていることがわかる。3年間でほとんど発達が認められません】
老人の私にはスマホが脳に悪影響を及ぼすとしても、余命短し、悩むほどではない。
でも、生徒や保護者の皆さんの中で、自分は、自分の子は大丈夫と思っている方は一度立ち止まって見直して欲しい。
ゲームは、集中してやっているから、集中力が付くと思うだろうが、集中の中身がそろばんと違い、快楽・長時間だから悪いと思うのは、私だけだろうか?
川島教授は集中力を付けるには、そろばん・暗算が一番いいと、そろばん・暗算をしているときのMRI画像を交えて推奨している。
珠算と暗算
珠算はそろばん珠を目で追って(視覚)、1,2,と指を動かして(触覚)計算するので、視覚や触覚を基に体で習うところがある。
スピードを求めなければ、誰でも出来るようになり、お喋りしながらでも出来る。
暗算は目の前に珠は無く視覚・触覚に頼れないので、誰でも簡単には出来ない。まして、お喋りしながらは出来ない。
暗算は集中力を要する。
暗算は、そろばんを習ったら暗算が出来るとは限らない。
昔、そろばんを習ったけど暗算は出来ない方に大勢出会う。
今でも、市内でそろばん教室を見かけるが、暗算も教えている教室は見かけない。小黒珠算教室は暗算に特化している。
エピソード
2年生のおんなの子、一年前の今頃、間違えたことが悔しくて周りがビックリするほどの大声で泣きじゃくり、涙を拭いたティッシュが机の上に山ほどあったのを思い出す。
その子のお母さんから、2年生になって、さんすうで少し大きい数字を使う計算にも、スイスイと暗算で出来て楽しそうだ、と話しを聞き、私の目は細くなった。普段でも細いが、外孫が小さいころ「おじいちゃん、目は開いているの?」と言われ大笑いした事を思い出す。
時々の風景 その58
先日、卒塾生の女の子に出会った。小学生の頃の顔から少し大人っぽい顔に見えた。
○○さんだよね?と声を掛けると、そうですと、声がかえってきた。
お母さんにそっくりになってきたねと言うと、嬉しそうな?顔をした。
子供の頃は親に似ていると言われ、嬉しい時と、いやだな~と思うときがあった。
先の卒塾生はどっちだったかな?
お母さんなら似ていた方がいいな~と思ったのではないだろうか。
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