「聴く・話す」を追加
先日久しぶりに昔の友人に会った。お互い現状の報告を兼ねてと、居酒屋で酒も入り話が弾んだ。
友人(彼)は人材派遣会社に勤めていた。派遣会社で登録社員を相手に企業人としての心構えなど基本的なことを講義しているそうだ。
彼が言うには、登録社員(生徒)の多くは「指示待ち」タイプが多く、講義中は下を向いて話を聴いているのか?と思う生徒が多い。
また、生徒にテーマについて自分の考えを問うても、発言がない。
更に困ることがある。
企業に派遣しても忍耐力が無く、休みがちで派遣先の会社からクレームがくる。
など話は尽きなかった。
彼の話を聞いて、学習の基本は「読み・書き・そろばん」
と言われているが、これに「聴く・話す」を追加すべきと思った。
信じ続ければ彼らは変わる
非行歴や犯罪歴のある少年らを雇って20年。今も社員32人の3分の2は元非行少年だ。
きっかけは、赤く染めた16歳の少女との出会いだった。
少年相談センターで相談員をしていた妻に「非行歴が有るだけでよそは面接さえ受けられない」と頼まれ、渋々雇った。
仕事中にいなくなるなどしたが、同じ目線で話を聞くと「素直でいい子」。人から認められたり、ゆっくり話を聞いてもらったりしたことがない。非行に走る少年・少女たちが抱える寂しさに気付いた。
かっての自分と重なった。中1で父を肺結核で亡くし、中3のとき母が脳梗塞で寝たきりに。「なぜ自分だけ」と世の中を憎んだが、差し入れなど近所の人たちに助けられた。少年たちを雇うのは、その恩返しだ。
何度裏切られても、戻れば再び雇う。自分の店に押し入り、売上金を奪った少年も雇用した。その彼はいま、塗装業を営み、非行少年を雇う。
ガソリンスタンド経営者 野口義弘さ(37) 朝日新聞 ひと 1/6
三ちゃんの作品です。
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